むちうち損傷

当院では交通事故の診療も行っています。来院される方で一番多いのは首の痛みを訴えるかたで、二番目に多いのが腰の痛みでしょうか。もちろん両方を合併していらっしゃる方もいます。

 

事故の状況によって違うので一概にはいえませんが、頸部損傷の場合、頸部側面(胸鎖乳突筋・斜角筋のあたり)の痛みを訴える方が多い印象を受けます。このあたりは肩こりのかたでも症状を訴えことが多いのですが、筋が緊張するとすごく不快な感じが強くなります。

事故直後は精神的にも参っていることが多く、痛みと合わせてイライラするかもしれません。

まずは心と体、両方のケアが必要になりますね。

 

患者さんのなかには時々めまいや吐き気、頭痛を訴えるかたがいます。これは頸部のむち打ち症のなかでもバレリー・ウー型といって頸部交感神経が刺激されている症状です。

直接頭をぶつけたわけではないのですが、頸部には椎骨動脈や脳底動脈という大切な血管が走行しているので、絞扼されるとこういった症状が起こります。

この時ついつい自分で患部をマッサージしたくなりますが、強い刺激はかえって危険なのであまり押したり揉んだりするはやめましょう。

 

 

身体の痛みと戦いながら保険会社とやりとりしたり、仕事への影響を考えたりするのは大変な労力です。

私たちにできることは少しでも痛みを取り除き、一日も早い社会復帰を手助けするだけです。

 

当院では患者さんに回復期からできる限りの運動療法を勧めています。物理療法や温熱療法である程度は回復していきますが、やはり最終的に回復するのは自分の身体を支える力を取り戻すことです。

 

上記の患者さんは無事に仕事に復帰できたようです。

まだ痛みが残存していらっしゃるようなのでもうしばらくは通院されるそうですが、回復できて本当によかったです。

 

今日もたくさんのご来院ありがとうございました。明日も頑張ります。